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2006年9月29日 (金)

ピボットとフィボナッチ・ゾーン(4)

最初に前回の話を簡単にまとめておきましょう。

フィボナッチ・ゾーン分析とは「前日の終値が2日前のレートから計算されるフィボナッチ・ゾーン(1~6)のどこに入るのか、当日の寄付が前日のレートから計算されるフィボナッチ・ゾーン(1~6)のどこに入るのか、これら終値と寄付の36通りの組み合わせから当日の値動きを確率で分析する手法」ということです。

このゾーン分析手法は、ロバート・クラウス氏とジョン・ジャクソン氏の二人により開発され、"High Probability Fibonacci Zone Analysis"(直訳すると、フィボナッチ・ゾーンの高確率分析、とでもなりますか)と命名されています。

ここで具体例をご覧下さい。

Blog_75

これは、ドル円の時間足にフィボナッチ・ゾーンを組み合わせたものです。左上の表を見ると「Close Zone = 5、Open Zone = 4」とあります。これは前日の終値がゾーン5、当日の寄付がゾーン4であることを示しています。

実際にチャートを見てみると、前日(9月27日)の終値は2日前のレートから計算されるゾーン5にあり、当日(9月28日)の寄付は前日のレートから計算されるゾーン4にあることがわかります。

この例の場合ならば、「C5・O4」(Close5・Open4の略)と以後、略して表記することとしましょう。

(次回に続く)

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ピボットとフィボナッチ・ゾーン(3)

今回から少々複雑なテーマに入っていきます。

フィボナッチ・ゾーン分析を発展させ、統計的にゾーン分析を行うという手法があります。これは、一日のレンジをフィボナッチ・ゾーンの区分により6つのゾーンに分け、更に前日の終値と当日の寄付との関係から、当日どのような値動きが考えられるのかを統計的に推測する手法です。

まず、前回のゾーンを6つに分けるところから始めましょう。

バランス・ポイント中心に最初のサポートまでをゾーン3、最初のレジスタンスまでをゾーン4とします。同様に次のサポートまでをゾーン2、次のレジスタンスまでをゾーン5とし、それよりも外側の部分をゾーン1とゾーン6とします。

概略図を示すと以下のようなイメージになりますね。

↑  R2  ゾーン6
レジスタンス・ゾーン2 R2 = = =
↑  R1  ゾーン5
レジスタンス・ゾーン1 R1 = = =
     ゾーン4
<バランス・ポイント> BP = = =
     ゾーン3
サポート・ゾーン1 S1 = = =
↓  S1  ゾーン2
サポート・ゾーン2 S2 = = =
↓  S2  ゾーン1

このように分けられたゾーンの中を日中足(例:時間足)は刻々と動いていくことになりますが、その中で特に一日の終値と翌日の寄付に注目し、前日はどのゾーンで引けて当日はどのゾーンで寄ったのかを6×6=36通りに分け、過去の動き(通常約10年分、2525日分)の統計を取ります。

そして、その36通りの組み合わせそれぞれについて、どのゾーンまで価格が動いたのか、またどのゾーンがサポートやレジスタンスとなったのかを確率でもって表します。

(次回に続く)

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2006年9月22日 (金)

ピボットとフィボナッチ・ゾーン(2)

それではチャートをご覧下さい。

Blog_73

このチャートはドル円の60分足にその日のフィボナッチ・ゾーンを重ねたものですが、赤い点線がバランス・ポイント。その上下にある2つの斜線のゾーンのうち、内側の狭い方が0.5~0.618のゾーン、外側の広い方が1.0~1.382のゾーンとなっています。

チャートは直近2週間のドル円ですが、それなりにワークしている日も多く、いわゆるピボットによるサポート・レジスタンスよりも使えるのではないかと思います。

為替の場合、一日をどこからどこまでにするのかが難しいところですが、このチャートでは日足の場合と異なり、1年を通して東京午前6時~翌午前6時の24時間を一日として扱い、24時間レンジからH・Lを取っています。

もちろん、日足同様に東京午前9時~NY午後5時を一日として使っても差し支えありませんが、日足よりも短い時間枠を使うデイトレーダーの場合、基本的には採用しない時間帯があるというのも不自然なので、便宜的に東京午前6時~翌午前6時を一日としています。

問題があるとすれば、月曜未明(18日G7後には午前1時から取引されていましたね!)と冬時間の土曜午前6時以降(1時間程度)ということになりますが、この点についてはバッサリと切り捨てても長期的には影響は少ないと考えます。

参考までに、20日のH・L・C(それぞれ、BIDレート)から計算される各数値を下に示しておきましょう。

9月20日 H=117.77、L=116.92、C=117.45 ( BP=117.38、(H-L)=0.85 )

  ↑  R2= 117.38 + 0.85*1.382 =118.55
レジスタンス・ゾーン2 R2= 117.38 + 0.85*1.0  =118.23

  ↑  R1= 117.38 + 0.85*0.618 =117.91
レジスタンス・ゾーン1 R1= 117.38 + 0.85*0.5  =117.81

<バランス・ポイント> BP= 117.38   =117.38

サポート・ゾーン1 S1= 117.38 - 0.85*0.5  =116.96
  ↓  S1= 117.38 - 0.85*0.618 =116.85

サポート・ゾーン2 S2= 117.38 - 0.85*1.0  =116.53
  ↓  S2= 117.38 - 0.85*1.382 =116.21

なお、ウェブ計算ツールがありますので、一部手直しの上、10月に公開します。

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2006年9月21日 (木)

ピボットとフィボナッチ・ゾーン

ピボット(Pivot)は、別名リアクション・トレンドとも呼ばれ、デイトレーダーにしばしば利用される指標です。ここでは、いわゆるピボットではなく変わり種のピボットを紹介しましょう。

ピボットは前日の高値(H)、安値(L)、終値(C)を使って求められるバランス・ポインント(BP、いわゆるピボット・レート)の上下に、同様にこれらの数値を使って求められるサポートとレジスタンスを示したものですが、変わり種のピボット(以後、フィボナッチ・ゾーンと表記)ではバランス・ポイントはそのままに、フィボナッチを併用したサポートとレジスタンスのゾーンを示します。

この手法もロバート・クラウス氏により紹介されたもので、詳細は英文になりますが氏の書かれた「FT Journal #14」(http://www.fibonaccitrader.com/journals/FTJ14.pdf)に掲載されており、概念図は5ページに載っています。

フィボナッチ・ゾーンの計算方法自体は、ピボット同様に単純で、以下のようになります。式が2つあるのは、ゾーン(バンド)として示しているからです。

  ↑  R2= BP + (H - L) * 1.382
レジスタンス・ゾーン2 R2= BP + (H - L) * 1.0

  ↑  R1= BP + (H - L) * 0.618
レジスタンス・ゾーン1 R1= BP + (H - L) * 0.5

<バランス・ポイント> BP=( H + L + C ) / 3

サポート・ゾーン1 S1= BP - (H - L) * 0.5
  ↓  S1= BP - (H - L) * 0.618

サポート・ゾーン2 S2= BP - (H - L) * 1.0
  ↓  S2= BP - (H - L) * 1.382

次回は、これあらのゾーンをチャートに重ねて見てみましょう。

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2006年9月15日 (金)

トレンド・ファインダー(2)

トレンド・ファインダーの続きですが、今回はごく簡単に。

まずは、以下のチャート群をご覧下さい。

Blog_71_1

このチャート群は、主要通貨の対ドルと対円の60分足にトレンド・ファインダーを組み合わせたチャートで、私自身が日常的に見ているチャート・ページのひとつです。こうしてトレンド・ファインダーで一覧すると各通貨ペアの動きがわかりやすいだけでなく、欧州通貨内での動き方にタイムラグがある場合等に、次に起こりうること(他の通貨ペアでもドルが買われるのでは?等)がデジタルに伝わってきます。

同じ通貨ペアで日足を上位に持つ複数の下位時間枠チャート(15分、30分、60分、等)を並べるといった使い方で、細かい時間の流れをデジタルに捉えるといった使い方も可能ですね。

前回同様、日足をひとまとめに青い四角で囲んでありますが、こうした方法をエンカプセル(encapsulation、カプセル化とでも訳すか)と呼び、上位時間枠の特徴的な動きや、複数時間枠の上下関係を認識するには便利な手法です。

エンカプセルは、残念ながらロバート・クラウス氏がパテントを持っていますので、一般的なチャートツールでは表示できませんが、こうした方法があることを知っておくと良いでしょう。

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2006年9月11日 (月)

トレンド・ファインダー

トレンド・ファインダーはその名の通り、日中の動き(ザラバ)において、どこで流れが変わったのかを知るための手法です。

まずは、トレンド・ファインダーの手法でペイントバーを施したドル円・時間足チャートをご覧下さい。

Blog_70

チャートを見れば説明は不要ですが、このチャートにおいて、緑色のバーは上昇トレンドにある状態、赤いバーは下降トレンドにある状態を示しています。

日足に相当する24時間分のバー(06:00~翌06:00)を青い四角で囲んでありますが、一番左端の9月1日から流れを追っていくと、9月4日の07:00に下降トレンドに転じ、9月6日の11:00に上昇トレンドに転じています。それ以降はトレンドに変化はありません。

今回は種明かしというほどのものではありませんが、どのタイミングで色を変えているのかというと、時間足の終値(=毎時0分)のレートが前日の高値、安値を抜けているかどうかが唯一の判断基準です。

ですから、9月6日の9:00~10:00のレートは前日の高値を超えていても10:00のレートが前日の高値よりも下にあったため下降トレンドのままとなりますが、10:00~11:00のレートは同様に前日の高値を超えていて、かつ11:00のレートも前日の高値を超えているため、赤いバーから緑色のバーへと陽転しているわけです。

この考え方は、ストップを置く際にも参考になります。つまり、サラバで一瞬抜けた程度ではストップを発動せず、毎時0分の終値で抜けた場合にのみストップアウトするといった具合です。

今回の手法もイントラデイの刻々と変わるチャートにおいては便利なテクニックと言えるでしょう。

なお、このような時間足と日足の関係を「下位時間枠」と「上位時間枠」の関係と呼ぶことが出来ますが、下位と上位の組み合わせ日足と週足であるとか、5分足と時間足といったような組み合わせも可能であることを付け加えておきます。

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2006年9月 6日 (水)

自動トレンドライン

今回はオシレータではありませんが、ちょっと不思議な(?)テクニックの紹介です。

その名も「自動トレンドライン」!?

名前の通り、一切の主観を排除して客観的に(機械的に)トレンドラインを引くためのテクニックです。

まずは、自動トレンドラインを使って引いたドル円のサポート・ライン(黄緑のライン)とレジスタンス・ライン(赤いライン)のチャートをご覧下さい。

Blog_69

このチャートだけ見ると、たしかにレジスタンスは効いていそうだし、サポートを抜けて下がっているようにも見えます。果たして何を根拠にサポート・ラインやレジスタンス・ラインを引くための2点をピックアップしているのでしょうか?

ということで、マジックではありませんが種明かしです。

サポート・ラインを引く場合は、直近2本のバーを除いた34本のバー(つまり、3本前から36本前までのバー)を見つけ、その中の最も安い安値から右肩上がりにサポート・ラインを引ける次の安値を探し、その2点を結んでいます。

レジスタンス・ラインを引く場合は、同様に直近2本のバーを除いた34本のバーを見つけ、その中の最も高い高値から右肩下がりにレジスタンス・ラインを引ける次の高値を探し、その2点を結んでいます。

34本のバーの間で右肩上がりや右肩下がりのポイントが見つからない場合は、サポート、あるいはレジスタンス、もしくは両方とも引けない場合もあり得ます。

イントラデイの刻々と変わるチャートにおいてはなかなか便利なテクニックと言えるでしょう。

個人的にどうもオシレータ系のチャートは好みに合わない部分がありますので、しばらくお休みして、ちょっとしたテクニックの紹介をしていこうかと思います。

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2006年9月 4日 (月)

ボリンジャー・バンド・ディファレンシャル

今回はちょっと違ったタイプのオシレータを紹介しましょう。

ボリンジャー・バンド・ディファレンシャル(以下、ボリンジャー・バンドをBBと略記)は名前の通り、BBの幅を数値化したものです。

Blog_68

まず、メインチャート側をご覧下さい。赤い点線で20日単純移動平均線があり、その両側にその±2 SD(標準偏差)のBBがあります。このBBの幅がその時のレートの何パーセントにあたるのかを示したものがサブチャートのBBディファレンシャルです。

BBディファレンシャルは、数値が大きいほど変動幅が大きい状態を示し、数値が小さいほど変動幅が小さい状態(=もみあい)を示しています。

使い方は、後者のケースで極端に数値が小さくなった後に相場が大きく動くケースがしばしば見受けられることを利用して、嵐の前の静けさから嵐がやってくるのを予想するのに使うというものが一般的でしょうか。

現在のドル円を見ていると、BBディファレンシャルは着実に低下している状況にありますので、大きく動く前触れと考えることができるかもしれませんね。

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